2階のタタミリビング。越後平野の見晴台
加茂市街と越後平野を一望できる高台の一等地。
でも造成から30年、なぜか売れ残っていた。
想像するに降雪時の坂道運転の不便さや、風あたり・西日の強さなどを嫌っての事なのだろう。
欠点のない「安全安心」ばかりを求めた退屈なくらしが理想なのか?
レースのカーテンを閉め切ったライフスタイルに慣れ親しんでしまうと、そもそも自分たちが何を求めているのか、いちばん大事な家づくりの目標をイメージできなくなっていく。
田んぼを埋め立てた平坦な場所では絶対に実現できない贅沢さ。
ちょっと見方を変えてみるだけで、あちこちに唯一無二の魅力的な土地が残っている。山と川、自然の地形に恵まれた小京都ならではの実力なのかもしれない。
建築の骨格は敷地のロケーションで自ずと定まった。
2階を主室として越後平野に開く山小屋。
それが全てである。