07 ブリキの町家

シンプルな構成のなかに快適生活の知恵を

敷地が面するドンツキの4M私道は、まちなかの小路(こーじ)的なにおいを思い出させれ環境である。
家並が路地に面してつらなって狭隘感を演出していけば、人にやさしく居心地の良い、小さなコミュニティー空間が育っていく可能性を感じる。
「打水された石畳」というのは無謀な妄想かもしれないが、子供たちの遊び場として、或いは井戸端会議や縁台将棋の会場としてはうってつけの場所なのだけれど・・。
[配置計画]  駐車場2台分以外の間口で積極的にまちなみに関与する事を意図している。最低限のアプローチ空間を置いて路地とダイレクトな関係をとり、住宅的なスケールをはずしたシンプルなボリュームで、「ニゲのない」まちとのかかわりを求めている。
[家族室]  キッチン側も大きく開放し、前後2方向で庭につながる。通風第一を旨とする町家の知恵。3.8mの天井が、ノーエアコンで夏場をのりきる手助けになればと期待している。
[共用のプライベート空間]  オープンな家族関係を望む施主に対して、プライベートな場所とパブリックな場所の間に、「共用のプライベートな場所」を設 定している。通り土間的に貫通する2階の通路は、吹抜けた家族室につながり、個人的な作業の場でありながら常に家族の気配を感じていられる空間である。又 必要に応じて会話にも参加できる。
[光庭]  寝室等は光庭を介して開口をとっている。窓を外壁に直接うがたない事で、シンプルな形態をみださず、又将来にわたって採光、通風、プライバシーを確保する。

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