桐と簾戸のリフォーム
築 15年程の家は手入れも行きとどき、構造・設備などハード面では致命的な問題をかかえていた訳ではない。
しかし、当時のスタンダードな間取りは、家族や生活パターンの変化に対応できず、気になり始めた不都合や無駄など、ソフトな問題を解消する為の「空間リフォーム」を必要とした。
より良いものを求める積極的な動機にたいして、壁紙の張替や設備の更新など小手先対応の「リフォーム」ではたちうちできない。
耐震壁や柱の移動を含めて大胆に検討し、家族室を中心に連続する空間構成に組み直した。一方、壁と天井の仕上は同一の桐板張とし、もともと高さが不揃いな窓には天井までの簾戸を設け て、意図した統一感をだしている。
ビフォーアフターなる企画が支持される所以は、空間が画期的な変化をとげる事にある。
また、その変化を目の当たりにできることが、リフォームのフィールド における匠(設計者)の存在意義をきわだたせてもいる。