のどかな環境にたつ敷地100坪のミニマム住宅
施主は里山の林の中にたたずむ家をイメージして、この100坪の敷地を用意した。
まだ生まれたばかりの赤ん坊のようだけど、成長する樹木に囲まれて上手に年齢をかさねていってほしい。
墨色に染めた杉板や、すこしベコベコさせた手仕事のブリキ。
ゆっくり風化しながら時をきざみ、オリジナルな場所の記憶をつない でゆく。
かって河川敷の中だった場所。
北西側の川は護岸や河床が整備され、容易に水面をうかがう事はできない。
しかし、両岸の遊歩道とあわせてのどかなあぜ道的な 風景が広がる場所である。
この環境とどう向き合うか、全体計画を決める最も重要な要素となる。
道路からのぬけと将来予定される親世帯の増築スペースを残す 事、方位、対岸の工場の存在等を考慮して、この川辺とは庭を介してゆるやかにつながる配置としている。
すこし軸線を振る事で、家族室-庭-川辺へと無理な く意識が流れるように意図し、逆に反対側の道路からは、少し距離を感じられる計画とした。