えげつないほど優秀なスマホのカメラ。
竣工した建物の写真撮影時には、デジカメの他に「三脚・脚立・広角レンズ」が必需品だったし、旅先などで良い空間を記録しようと思うと、手ぶれしないよう壁に体をくっつけて息を止めたままゆっくりシャッターを切るなんてめんどくさい工夫が必要だった。
でも今はそんなことはスマホ君におまかせで十分立派な写真が撮れる。
いったい何がそれを可能にしているのか、詳しいことはよくわからないけれど、とにかくデータ処理の技術が優れているのだろうなとは想像がつく。
しかし、気が利きすぎているというか、あなたが撮りたい写真ってこういうやつでしょってスマホに勝手に判断されているようで、どうも気持ちの悪い部分もある。
晴天の昼間に「室内」を撮影する。
すると、窓の外空の青や植栽の緑まで鮮明に写っている。
何もしないで素直に撮れば、露出オーバーで白くとんでしまうはずなのに、どうもそこだけ露出が部分的に調整されているようだ。
そのクッキリさ加減がいささかわざとらしく、窓枠の中だけ別の画像を貼り付けた(実際そうゆう処理がされているのだろう、、、)ようなのが気になる。
逆に外の風景が邪魔になるような時はかえってぼやけてくれた方がいい場合もある。
スマホ君は良かれと思ってやっているのだろうけれど、その辺のさじ加減は撮影者が自ら意図を反映できるような、多様な価値観を受け入れられるソフトウェアの出現に期待したい。