あまり見かけなくなった「角地っぽい」建物。
街路(歩道)の隅切り部分に中心軸としての入口を設け、90度に広がるシンメトリカルなデザイン。
この界隈ではいくつか同様の建築が現在も大切に使われている。
しかし、あえて象徴的なシンメトリーを避けようとした現代建築の流れもあってか、戦後はそれらしい角地建築はあまり造られなくなってしまった。
とはいえ、商業地における建築のデザインは、ほとんどの区画が正面性のみに依存するのに対して、自ずと立体的に広がる角地は特別に貴重な場所だったはずだ。
その特別感をあらわす場所として、例えば銀座4丁目の交差点。
ここにはそれぞれ個性の異なる4つの角地建築がお互いをリスペクトするように建っている。
角地建築の基本型、三越。
滑らかな円弧を描くセイコーのビル。
円い筒でなじませた三愛ビル。
現代建築での解答、GINZA PLACE。
場所が場所なだけにみなハンパない感じの建築達である。
こんな場所での設計機会はなかなか経験できないけれど、
学生の課題としては再評価さえれてもいいのかもしれない。
それぞれが角地建築を1案ずつ持ち寄り、講評会でいろいろな組み合わせを検討しながら一つの交差点空間をつくる。4つの組み合わせに意味があるので個人攻撃になりにくく、なんだか自由に楽しく意見を出し合えるような気がする。